おはなし玉手箱　〜大ハンザキと大ハチマン〜

こちら
浦島太郎が竜宮城から持ち帰った
決して開けてはならぬ箱をお手本に
色紙で折った「玉手箱」の出品です。
中には白ケムリが入っているかと思いきや
中身のないおはなしが入っています。
語り部はその箱に付着していた鳥貝
赤潮ならぬ黄潮の影響を受けたのか
やたら黄色いです。

こちらの玉手箱
思いの外
色鳥どりに出来ましたので
小物入れにいかがですか？

サイズは縦8cm×横8cm×高さ4cm
お気に召して頂けましたら
折りたたみ、封筒に入れ
郵送で送らせて頂きます。

なお、鳥貝は
回転寿司屋で
酢飯の上に乗り、フチが少し乾くまで
ぐるぐる回らなくてはならないので
お付けできません
ご了承下さい。


中身のないおはなしはこちら↓




婆さんが学生だった頃は
オオサンショウウオが沢山いたらしく
もっぱら夏の遊びといえば
川に潜り
底にいるオオサンショウウオを
小脇に抱え、水面まで持ち上げる
「ハンザキ浮かし」
（ハンザキ：オオサンショウウオ）
だったとか。
さすが「乙島の大ハチマン」
（ハチマン：お転婆）
とのあだ名を欲しいままにしていた婆さん。
「ハンザキ浮かし」
では右に出る者はいなかったそうだ。

また、
婆さんが学生だった頃は
朝鮮の人がカツラ用にと
髪の毛を買いに来ていたそうだが
さすが「乙島の大ハチマン」
お年頃だというのに、何の躊躇もなく
坊主寸前まで髪を切ってもらい
その報酬として
飴をしこたま貰っていたそうだ。

ある年にはそれが重なり
ハンザキ浮かしに行くと遊びに出た娘が
丸坊主で大量の飴をかかえて帰宅し
よせばいいのに
「竜宮城に行ってきた」とホラまで吹き
家族は腰を抜かしたとか。

そして
婆さんの大ハチマンぶりは
100歳近くなっても未だ健在で
危ないので禁じられている自転車に
内緒で乗って出かけたりするのだが
近所の人の内通で
捕獲された際には
「誰がチクったんならっ
荒草かっ（怒）」
と無実のアレクサにプンスカ
当たり散らしているそうだ。


週末
近くのショッピングモールで何故だか
オオサンショウウオキャンペーン
が開催されており、モール内のあちこちに
巨大なぬいぐるみが配置されていたのだが

「婆さんだったら、小脇に抱えて
持って帰ってしまいそうだな」

と孫に苦笑いさせてしまう
破天荒な生き様に
益々頭が下がるばかりだった。

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